月岳山(ウォラクサン/1,097m/忠清北道)

月岳山は忠清北道忠州市堤川市慶尚北道聞慶市の境界に位置する山である。19841231日、国立公園に指定された。

月岳山は慶尚北道聞慶市の南に位置し、徳山面(トクサンミョン)と寒水面(ハンスミョン)にまたがっている。山頂となる最高峰は霊峰(ヨンボン)、別名を上峰(サンボン)、国祠主峰(ククサジュボン)と呼ばれる。山麓には徳周山城(トクチュサンソン)、徳周寺(トクチュサ)、月光寺(ウォルグァンサ)、月岳宮(ウォラックン)、月岳神祠(ウォラクシンサ)址がある。

山の尾根は大きく三方向に伸びている。北西尾根は忠州湖へと至り、北尾根はシルミ集落で広川(クァンチョン)と出合う。主尾根の南尾根は慶尚北道と境界を成すところにまで至る。山の東側には広川が、西側には達川(タルチョン)が流れるが、これらの川は山の北に位置する炭枝里(タンジリ)で合流し月岳山を囲んでいる。

以前はこのように合流した達川がそのまま北西に流れ、閑川里(ハンチョルリ)で漢江(ハンガン)と合流していた。ところが1984年に忠州ダムが完成したことにより両川の合流点は忠州湖となり、そこからまっすぐ漢江へと流れるようになった。

月岳山は月光瀑布、·望瀑台(マンポクテ)、鶴巣台(ハクソデ)、水境台(スギョンデ)、自然台(チャヨンデ)などの「八景」と、霊峰から眺める一望千里の景色が昔から広く知られている。

特に月岳山の南、布巖山(ポアムサン 962m)を源流とする達川が月岳山沿いに流れることで形成された渓谷を月岳渓谷、別名松界渓谷(ソンゲゲゴッ)というが、奇岩怪石の間を縫う清らかな流れと鬱蒼とした森林がまさに絶景を作り出している。渓谷は約7kmに及び、それに沿って様々な史跡が分布している。

月岳山については世宗実録地理志(清風)に「名山は月嶽なり(新羅では月兄山と呼ばれけり)」という記述がある。また、新増東国輿地勝覧(清風)には「月岳山は郡の南50里にあり。新羅では月兄山と称えけり。小祀により成りけり」と記録されている。これはつまり、新羅時代に山神祭を執り行っていた、との説明である。一方、輿地図書(清風)に「月岳山は府の南西方向40里にあり。山勢は数郡にまたがりて山の東側一帯は清風の地に属したり。山頂には古城址がはきと残りたり」と記され、城址の存在が明らかにされている。このほか様々な古地図に月岳山は漏れなく表記されており、重要な山と認識されてきたことがわかる。月岳広川、月岳橋、月岳寺は関連の地名である。

2010123日に撮影した動画>

<登山地図>
(動画の登り=赤 下り=青

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