南漢山城(ナマンサンソン/522m/京畿道)

道立公園としては比較的早い時期の19713月にその指定を受けた南漢山城は、城郭一帯すべてが史跡第57号に指定されている(19631月指定)。南漢山城ほど恥辱の歴史を有する所も多くない。1637年の丙子胡乱時、仁祖はここに身を隠したものの清に降伏、9度も土下座をさせられた「三田渡(サムジョンド)の恥辱」を受けた場所である(三田渡は現在の松坡区三田洞にあたる)。ゆえに南漢山城は是非とも訪れる価値がある。柔らかな稜線沿いに歩いてみると、自ずと反省の気持ちがあふれ、歴史の勉強にもなるだろう。

南漢山城は本来、現在の城南河南市はもちろんのこと、ソウル江東区、松坡区、瑞草区一帯を治めていた広州の地にあり、古来より「広州の顔」であった。この山城は新羅時代に初めて土城として築かれ、その歴史は1300年を超える。

春は桜、夏は深い森、そして秋の紅葉に冬の雪景色を誇る南漢山城は、年間200万人を超える探勝客が訪れている。現在、城内では補修作業を進めている最中であり、昔の姿を再現する日までさほど遠くないであろう。

南漢山城の最高峰は、守禦将台(スオジャンデ)のある清涼山(チョンニャンサン 482.6m)よりもさらに39.4m高い南漢山(ナマンサン 522m)である。登山道は本城の城郭を中心に城の内外に行き渡り、まるで蜘蛛の巣のように張り巡らされている。

松坡区巨餘洞(コヨドン)方面からは、ソウル地下鉄5号線終点の馬川駅がよく利用されている。この方面は西門や連珠峰(ヨンジュボン)へと繋がる登山道がよく整備されている。

北方は、金岩山(クマムサン)~連珠峰と客山(ケクサン)~蜂峰(ポルボン)へと登るコースが代表的である。金岩山~連珠峰尾根コースの登山口としては甘ニ洞(カミドン)の静林(チョンニム)集落や広岩洞(クァンアムドン)の広岩浄水場、項洞(ハンドン)のコゴル小学校があり、また客山~蜂峰の登山口としてはコゴル小学校や校山洞(キョサンドン)の善法寺(ソンボプサ)、泉峴洞(チョニョンドン)のマバンチッ食堂がある。連珠峰尾根と蜂峰尾根の間にあるコゴルのマウルバス終点から沢沿いに北門へと登るコースは、北門が補修工事のため閉鎖されているため(2009年現在)、以前に比べると登山客の足が遠のいた。山城の北東方向、河南市と光池院里(クァンジウォルリ)を結ぶ国道43号線沿いの下山谷里(ハサンゴンニ)や上山谷里(サンサンゴンニ)、奄尾里(オンミリ)方面にも蜂峰尾根へと登るコースが幾つかある。

山城里(サンソンニ)の城内(ソンアン)からは、そのコース自体の距離は短いものの、蜂峰尾根や連珠峰尾根と結ぶことにより、7km前後に及ぶ長い山行を楽しむこともできる。また、大谷(クンゴル)入口~汗峰(ハンボン)~汗峰城暗門~庇城(チェンソン)暗門~南漢山(外東将台跡)~東将台(もしくは東門~長慶寺信地甕城~東将台)~北門~北将台跡~連珠峰~西門~清涼山(守禦将台)~南門~第1甕城~第2甕城~南将台~第3甕城~東門へとつなぐ山城一周コースも試す価値がある。

城南市方面は、銀杏洞(ウネンドン)から南門へと登るのが代表的なコースである。
<月刊「山」 全国名山地図帳解説より>

2011107日に撮影した動画>

<登山地図>
(動画の登り=赤 下り=青

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