果川・清渓山(クァチョン・チョンゲサン/615m/京畿道)

ソウルと城南義王果川との境にそびえる清渓山は、西側の冠岳山と共に首都圏南部の名山として名高い山である。やわらかな山容でありながら、重厚で広々とした尾根が四方に伸びており、深山幽谷のような雰囲気を味わうことができる。

清渓山には最高峰の望京台(マンギョンデ)をはじめ、鷹峰(メボン 583m)、弐寿峰(イスボン 545m)、国思峰(ククサボン 540m)などの秀でた峰々が連なっている。20年余り前まではソウル郊外の単なる山並に過ぎなかったが、首都圏が広がったことにより、ソウル市民の憩いの場として酸素供給源の役割をしっかりと果たしている。

清渓山の登山口としては、瑞草区院趾洞(ウォンジドン)の原基谷(ウォントゴル)集落や、城南市寿井区上笛洞(サンジョクトン)の昔谷(イエッコル)集落と金土洞(クムトドン)、そして果川市のソウル大公園と文原洞(ムヌォンドン)、さらには義王市の浦一洞(ポイルトン)と清渓洞(チョンゲドン)など、公共交通の便の良い所がまず挙げられる。

1)    院趾洞 原基谷登山口
瑞草区院趾洞の原基谷は、ソウルメトロ2号線江南駅3号線良才駅を経由する路線バスを利用すれば簡単にアクセスが可能なため、約3km離れた昔谷コースとともに最も多くの登山客が利用する、清渓山の代表的な登山口である。
原基集落から高速道路のガード下を通り、原基谷もしくはツツジ尾根(チンダルレヌンソン)を登って原基峠(ウォントゴゲ)~鷹峰に登頂後、原基谷へと下山するコースが最も人気がある(所要時間2時間30分)。原基峠から北西方向の玉女峰(オンニョボン)まで往復する散策コースもよく利用されている(所要時間1時間30分)。鷹峰から山頂の望京台へと登り、石奇峰(ソッキボン)の鞍部から昔谷へと下山するコースや、足を伸ばしたついでに弐寿峰を経由してから昔谷へと下山するコースを利用すれば、清渓山の全貌を探ることができる(所要時間4時間)。

2)    昔谷登山口
全般的に緩やかで、体力に自信のない人でも気軽に登れるコースがいくつかある。代表的なコースとして、浄土寺(チョントサ)~漆泉(オッセム)~薬草泉沢(ヤクチョセムゴル)~血泣峠(ヒョルッチェ)、浄土寺~日陰沢(オドゥンゴル)~露泉(イスルセム)~モッペドゥン尾根~弐寿峰、日陰沢(オドゥンゴル)~弐寿峰コースがあるが、露泉~弐寿峰~望京台~血泣峠~薬草泉沢の方向で歩いたほうが傾斜が緩やかである(所要時間3時間)。

3)    果川登山口
文原洞のマウルバス終点もしくはソウル大公園の旧ポクトリ山から入山、鷹峰(別名 果川鷹峰 368m)を経由し、寺峠(チョルコゲ)から南方向の清渓寺(チョンゲサ)へと下るか、またはそのまま尾根沿いに望京台まで結ぶこともできる(所要時間2時間)。閑寂な登山を望むのであれば、望京台・弐寿峰の分岐点から国思峰~国思峰西稜を経由して義王市の原基集落へと下山する。下午峠(ハオゴゲ)分岐に続いて鉄塔を通り過ぎると、尾根の左側にロープでルートを示した聖地巡礼道が現れる。この道に沿って10分余り下ると原基集落に出られる。所要時間、弐寿峰~国思峰40分、国思峰~原基集落50分。

4)    金土洞登山口
城南市民がよく利用している、静かなコースである。弐寿峰東稜と国思峰東稜との間にある沢は軍事保護区域のため入山禁止となっている。したがって尾根沿いの登山道のみ利用可能である。両尾根とも森の雰囲気を際立たせており、比較的登山客が少なく、のんびりとした登山を楽しめる。トゥレイ沢~国思峰までの往復と、トゥレイ沢~モッペドゥン尾根~弐寿峰までの往復、またはトゥレイ沢~国思峰東稜~国思峰~弐寿峰~モッペドゥン尾根(弐寿峰東稜)~トゥレイ沢への周回コースがよく利用されている。

5)    縦走コース
 清渓山縦走コースは、北端の食糧卸売市場南側にある登山口からスタートし、玉女峰~鷹峰~望京台~寺峠~果川鷹峰を経由して大公園(または文原洞)へと下山するか、望京台から弐寿峰~国思峰を経由して義王市の原基集落もしくは清渓洞へと下山するコースとなる(所要時間5時間)。健脚者は国思峰西稜沿いに進み、下午峠(鶴峴(ハッキョン)、清渓トンネルの上)から水原の広徳山(クァンドクサン)まで縦走することも可能である(所要時間9時間)。
<月刊「山」 全国名山地図帳解説より>

2012226日に撮影した動画>

<登山地図>
(動画の登り=赤 下り=青

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