徳裕山(トギュサン/1,614m/全羅北道・慶尚南道)

徳裕山は全羅北道茂朱郡長水郡慶尚南道居昌郡咸陽郡にまたがる山である。

最高峰は香積峰(ヒャンジョッポン)で、徳が豊かで寛大な母山という意から徳裕山と名付けられた。慶尚南道居昌郡と全羅北道茂朱郡安城面(アンソンミョン)、雪川面(ソルチョンミョン)の境にそびえており、北徳裕山(香積峰)と南徳裕山(1,507m)に分けられる。

南徳裕山は慶尚南道居昌郡、咸陽郡と全羅北道長水郡の境にそびえている。約20kmにわたる両ピーク間には、標高1,3001,400m小白山脈の主稜線が北東から南西方向へと伸び、慶尚南道と全羅北道の道境を成している。

主峰の香積峰を中心に、茂豊面(ムプンミョン)の三峰山(サンボンサン 1,254m)など標高1,300m前後の峰々が連なる稜線は別名「徳裕山脈」とも呼ばれている。

東西の斜面からは、南江や黄江(ファンガン)、 錦江などの源流となる数多くの沢が流れ、洛東江水系と錦江水系の分水嶺の役割を果たしている。植生は、250種余りの植物と116種の鳥類、446種の昆虫類、95種のクモ類の棲息が確認されている。

渓谷は全部で8か所あるが、特に茂朱と茂豊の間を流れ、錦江支流の南大川(ナムデチョン)へと流れ込む長さ30kmの茂朱九千洞(ムジュクチョンドン)は、全国的に広く知られた名所である。武夷九谷(ムイグゴッ)を始めとした九千洞33景や七連滝(チルリョンポッポ)、龍湫滝(ヨンチュポッポ)などが壮観で、安城渓谷(アンソンゲゴッ)、松渓寺渓谷(ソンゲサゲゴッ)、山水里渓谷(サンスリゲゴッ)なども名所に挙げられる。

6月初旬には、20kmにわたる稜線と登山道沿いに咲き広がるクロフネツツジの群落が見頃となり、夏に入れば涼やかな九千洞渓谷が避暑客であふれ返る。そして、秋は赤く色づいた紅葉が、冬は雪に覆われたチョウセンシラベ(朝鮮白檜)やイチイ、空に舞い散る吹雪が壮観である。

九千洞を過ぎ、香積峰まで残り3kmのところに、千年の古刹、白蓮寺(ペンニョンサ)がある。ここには梅月堂浮屠(メウォルダンブド 全羅北道有形文化財43)、白蓮寺階段(全羅北道地方記念物42)、靜觀堂浮屠(チョングァンダンブド 全羅北道有形文化財102)などの文化財がある。

19752月に、一帯が国立公園に指定された。

201163日に撮影した動画>

<登山地図>
(動画の登り=赤 下り=青

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