「900ウォンラインの攻防」、円安ウォン高どこまで?

急激な円安により対円でのウォン高が進み、100=900ウォン台がぐっと迫ってきた。経常収支黒字などでウォンの切り上げ圧力が続く一方、円は引き続き値下がりし2015年には100=800ウォン台への下落もありうるとの見込みだ。

20145月まで100=1000ウォンを上回っていた円ウォン相場は、11月に平均945.10ウォンへ下落した後、128日には69か月ぶりの底値919ウォン台にまで下落した。アベノミクスによる日本の量的緩和策と2014年中に進んだウォン高により、円ウォン相場は201212月の平均1288.23ウォンから下落(円安ウォン高)してきた。特に1031日、日銀のサプライズ追加量的緩和により火のついた円安余波が円ウォン相場のレベルを引き下げてきた。

◇ 円とウォンが同じような動き、円ウォン相場の下落は今のところ緩やか
円安が加速し、円ウォン相場も下落傾向にあるが、ウォンが円の動きをぴったりと追いかけているためにそのスピードは速くない。ウォン円相場に対する当局の介入警戒感に加え、韓国の輸出競争力に対する懸念が市場に反映され、これまでは円が値下がりすればウォンも共に値下がりする傾向が維持されてきたためである。

また、ウォンも円と同様、世界的なドル高の影響を受けており、ドル/ウォンとドル/円で計算されるクロスレートが急落する可能性は低いと見られる。ドル円相場が円安となれば、ウォンも値下がり傾向にあるからだ。

さらに、日本の当局による円安懸念から、円安傾向が一息つくという見方もある。円安は、日本の輸出企業にとっては有利だが、内需企業や消費者の購買力の面では不利となる。このことは当局も認識しており、1ドル125円以上に円安が進むことは難しいとの見立てだ。

パク・ソンウッ韓国金融研究院マクロ国際金融研究室長は、「円安は、日本側の要因のみならず、韓国も共に影響を受ける米国の好景気によるものであることから、円ウォンの同じ動きはある程度継続するものと見られる」とし、「日本の国内でも円安によるデメリットがあり、ドル円相場も120円ライン以上では急騰しにくいだろう」と予測した。円ウォンクロスレートも大幅な下落はしないだろうとの説明だ。

◇ 2015年の下半期にウォン安ドル高が転換か? 円ウォン相場は800ウォン台に下落の見通し
しかし、2015年に入ると、ウォン安が円安のスピードについて行けず、逆にウォン高へと方向転換し、円ウォンクロスレートが850ウォン台にまで下落する可能性もあるとの声も出ている。

LG経済研究院のイ・チャンソン首席研究委員は、「円安が1ドル125円まで進むとの見方もあるが、ウォン安が円安のレンジに追随するのは困難」とし、「両通貨の切り下げスピードの差が広がり続け、2015年上半期のうちに円ウォン相場の下値が850ウォンにまで下落することもありうる」と見通した。

15年上半期は米国の金融政策転換が中心的に注目され、ドル高が円とウォンの双方に影響を及ぼすと見られるが、自国の金融緩和で引き起こされた円安がウォン安よりもさらに速い可能性が高い。加えて、米国が金利引き上げを開始し米国の金融政策の不確実性が解消された後は、経常収支黒字などウォンの切り上げ材料が浮き彫りになり、ウォン高に転換する可能性がある。

チョン・ミンギュ韓国投資証券エコノミストは、「原油価格下落により韓国の経常黒字が当初の予想よりさらに膨らみ、ウォンの切り上げ圧力が高まる可能性がある」とし、「円ウォン相場が800ウォン台後半に下落する時期を2016年と予想していたが、これが早まり15年上半期になるだろう」と予想した。

チョン エコノミストは、「2015年に米国の金利引き上げが始まれば円安はさらに進む」とした上で、「上半期はウォンもドルに対し値下がりすると見られるが、経常収支黒字などにより下半期にはウォン高に転換する可能性がある」と見越した。

現代経済研究院のオ・ジュンボム研究員もまた、「韓国は輸出業績が好調で外国人の投資マネーも着実に流入する勢いを見せており、2015年下半期に入るとウォン高になる可能性がある」としながら、「円ウォン相場は800ウォン台後半まで下落することもありうる」と見通した。
<韓国 マネートゥデイニュースより>

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