祝霊山(チュンニョンサン/888m/京畿道)

祝霊山は京畿道南楊州市加平郡の境に位置する山で、別名を飛龍山とも言う。

高麗末期、李成桂が即位する前にここへ狩りに訪れたが、1匹の獲物も捕らえられずに戻ってきた勢子たちが「ここは聖なる霊山なので山神祭を執り行わなければなりません」と話し、その翌日、山頂で祭祀を挙げた後で狩りに臨んだところイノシシを捕らえた、という伝説がその名の由来と言われる。ただ、李成桂までもが登場する由来としては、その根拠が薄弱ではなかろうか。

もう一つ、あまり知られていない由来だが、李氏朝鮮世祖睿宗時代に若くして不遇の死を遂げた南怡将軍と関わる説がある。祝霊山には南怡将軍が幼少時に武芸を磨いていたという南怡岩(ナミバウイ)があり、山頂の東方には加平の南怡島があることからも、南怡将軍説の根拠は薄くない。柳子光(ユ・ジャグァン)の偽告発を真に受けた睿宗が28歳の南怡を処刑すると、この付近の住民たちが彼の霊魂を慰めようとして南怡と関わりがあるこの山を祝霊山と名づけた、という。あまり知られてはいないが、南怡将軍由来説のほうが親近感を感じる。

祝霊山西側のチョンジラ谷には祝霊山自然休養林がある。樹齢60年のチョウセンゴヨウの森が鬱蒼としており、水遊び場や自然観察園、芝生広場、クロフネツツジ園などが整備されている。祝霊山東側の麓(加平郡)にはアチムゴヨ樹木園がある。

2010523日に撮影した動画>

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