主屹山(チュフルサン/1,106m/慶尚北道)

主屹山は慶尚北聞慶の鎮守の山である。白頭大幹[1]上にある釜峰(プボン 917m)の南東稜に天を刺すような山容でそびえ立つ主屹山は、南斜面が数十尋(約150m)の断崖を成しており、聞慶邑から望むと巨大な防壁のように感じられる。このような山容から、李氏朝鮮時代の王朝では毎年主屹山を鎮守の山として崇める祭祀が執り行われていたという話が伝わっている。

登山道は鳥嶺道(セジェギル)を起点とし、穀虫沢(コクチュンゴル)沿いに続く。最も人気のあるコースは穀虫谷~主峰(チュボン 1,075m)~鳥谷沢(チョゴッコル)~第1関門へと周回するコースである(所要時間、約6時間。)

主屹山への登山は、どのルートを取っても嶺南大路[2]の鳥嶺道を経由するというのもまた違った魅力である。今となっては珍しくて貴重とも言える非舗装の峠道を歩いて行くと、文禄の役の直後に築城された三つの城のほか、旅人が利用した旅籠跡、慶尚道の新旧観察使が官印を取り交わしていた交亀亭(キョグイジョン)跡、昔のハングル表記の標石「山火事用心」碑など、歴史を探る機会が得られる。第1関門そばの鳥嶺川(チョリョンチョン)を渡ったところにあるKBS撮影地も見どころの一つである。聞慶市では鳥嶺道と主屹山一円を聞慶鳥嶺(ムンギョンセジェ)道立公園に指定し管理をしている。道立公園管理所☎054-550-6421
<月刊「山」 全国名山地図帳解説より>

[1]白頭大幹(ペクトゥデガン) 太白山脈小白山脈などで成す、朝鮮半島の脊梁山脈。
[2]嶺南大路(ヨンナムデロ) 嶺南(慶尚道)と漢陽(現在のソウル市)をつないでいた官道。

<交通(201067日)>
08:25 聞慶バスターミナル到着、タクシー乗車
08:33 道立公園管理所到着
13:00 関門バス停留所出発
13:10 聞慶バスターミナル到着、聞慶綜合温泉入浴
14:50 聞慶バスターミナル出発
16:57 東ソウル総合バスターミナル到着

201067日に撮影した動画>

<登山地図>
(動画の登り=赤 下り=青

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